山菜歳時記
山菜といえば、「ぜ○○○」「わ○○」(5月上旬)

 5月に入るといよいよ、山菜採りも佳境をむかえます。
新井の山でも、連休や土日ともなると、林道のあちこちに地元の人の軽トラに混じって、渋い色のセダンや長野ナンバーの車が乗り捨てられたように見かけられるようになります。おめあてはぜんまい、うど、わらび、といったところでしょうか。いわゆる、「山菜」というとすぐに思い浮かぶものたちです。


 ぜんまいはもっぱら乾燥させて、冬の保存食用(こういう言い方はもう古い?)として貯蔵し、正月のお雑煮や、煮物の材料として活躍します。ですから、この時期に食卓にあがることはあまりありません。

 乾燥ぜんまいの作り方は、採ってきたぜんまいの綿毛をとり、さっとゆでてから天日に広げて干し、手でよくもみながら乾燥させます。このときわら灰をまぶしながらする人もいます。もどす時は熱湯につけ蓋をして一晩おき、1〜2回水をかえてやります。(山菜のあくぬき・ぜんまいの干し方などは当HP内[あらいのごっつぉ]を参考にしてください。)


 ぜんまいは少し湿ったところが好きで、採るときは胞子葉(両写真の左の葉、「おとこぜんまい」という)はとらずに残しておき、あとに出る栄養葉(「おんなぜんまい」という)の茎のやわらかいところから、ポキッと折りとってください。



 一方わらびは、水はけのよい平らな日当たりを好みます。群生しますし気候もいい時期ですから、家族で山菜採りを楽しむのにむいているかもしれません。

 わらびは、あく(苦み)がありますので、「採ってきてすぐに食べよう」というわけにはいきませんが、ぬるっとした食感や、そのままお醤油をかけて食べれる手軽さ、そしてなんといっても、そのものの持つおいしさが、この時期とても喜ばれ多く食べられます。
 山菜料理一年生は、ぜひこのわらびのあくぬきにチャレンジしてみてはいかがでしょう。


ということで・・・、
【わらびのあくぬき大研究】
 わらびの苦みをとる方法として、一般的なのは、木灰を使う方法です。
 木灰というのは、材木を燃やした後にできる灰のことで、(ここがみそ!)わらや、紙、草を燃やしたものには含まれない「木酸」の効果によってあくが抜け、色よく仕上がるということです。
 写真をごらんください。スーパーなどに年中でまわっているくすんだ緑色とあきらかに違うのがわかります。余談ですが、木酸というのは単体で、園芸店にも置いてあり、主に植物の活力剤として用いられるとのことです。
 さて、実際に順を追って説明しましょう。(処理の方法も、いろいろとうんちくがあり、各家庭によって違うので、今回は写真のわらびにした方法を紹介します。)

とってきたわらびはすぐに端を揃えて切り、輪ゴムでゆわえて、木灰を入れて煮立てた湯の中で1分ゆでる。
すぐに水にとってさまし、水を入れた容器に移し、その上から灰をかけて24時間おく。
灰の入った水からとりだし、新たな水に浸ける。苦みがあるようなら、この後数回水をかえる。
切り分けて、お醤油をかけたり、おひたしにする。

・「木灰」は誰にでも簡単に手にはいるものではありません。代用するなら、「重曹」「山菜のあくぬき」(商品名例)を使用できますが、説明書をよく読むなどして、ゆでる時間など加減してください。(どろどろになってしまうため)
・「わらびの丸まった葉の部分には発ガン性の物質が含まれる」と書いてある本があります。そのため最近では、先端部分を切り捨てて食べるようになりました。


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