「あれ〜っ。なんで、これだけ赤いのぉ?」
[]子は、怪しく色づいた褐色の一本を指さして、つぶやいた。
「気づかなかったよ、君がそんなに神経質だったなんて。」
[]男は、半分あきれたように答えた。
「あなたこそ無神経ねぇ。だれだって気づくわよ。
これ、なにかの たたり じゃないのぉ?」
「・・な訳ねーだろぉ〜」

・・・始めて採った山菜を前にして、途方に暮れる二人だった。
みなさんは、気づいていただろうか?
そういえば、赤と青があるのは、わらびだけじゃない。ぜんまいもそうだ。
右の写真でみるように、あきらかに茎の色が違っている。ただこの場合は単純で、種類が違うのだ。赤い方は、新井では「ジージーゼンマイ」といって、少しスジっぽく、あまり水質の良くない所に生えることが多いらしい。
さて、問題のわらびだが、確認されている説があった。
赤い色のものは、「子孫繁栄のために残した胞子葉である。」という説で、環境が悪くなったり、老朽化した株が、繁殖のために出した葉である。というのだ。
いい方をかえると、これが出てきたら絶える前ぶれと思ってもよいということらしい。ひいては、「赤いわらびは採らずに残すべき」との見解が導きだされる。
一旦絶えたわらびが、再び以前の様子を取り戻すには、4〜5年かかるらしい。植物の赤信号にも注意を払ってやらないといけないようだ。
以上、現場からおつたえしました。 |