山菜歳時記
ア・ラ・カルト 〜その二

 

さんしょう(山椒)
 若芽は「木の芽」といって、ピリッと辛い風味は、「木の芽あえ」「木の芽田楽」「吸物の吸い口」などと、季節感あふれるアクセントとして活躍します。
 雄木と雌木があって、熟した果実は、「うなぎのかば焼き」でおなじみ、粉山椒の材料になります。
 また、果実は鳥によって運ばれて、思わぬ所に山椒の木が生えているのを目にします。移植も楽ですから小さい苗を持ち帰るのもいいでしょう。



しゅんらん(春蘭)
 カトレア、胡蝶蘭などと同じ、れっきとしたラン科の植物で、シンビジュームを小さくしたような姿です。
 水はけの良い落葉樹の林でみられ、山菜というよりも、東洋蘭マニアの中では、微妙な花形や、葉の美しさを楽しむといった高貴なものとして扱われています。実際、新井の近辺の山でも、名鑑に載るほどの銘花が産出されています。
 お料理としては、花茎と花をゆでて酢の物にしたり、天ぷらにしたりできますが、少しくせがあるのでアクセントにするとよいでしょう。塩づけをおめでたい席などで、蘭茶として出したりします。
 採取は、花の基部が膨らんでいるものは、自然交配したもので、のちに種ができます。そのままにしておきましよう。

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