十五夜といって40年前頃には、これをさかいに、忙しい、取り入れの秋が始まるのです。アッチコッチと踊り歩いた若者達の唯一の楽しい盆踊りもこの日で終わりです。 心残りのないように、夜のふけるのも忘れて踊り狂う若者、耳を立てれば遠くから聞こえてくる近隣からのタイコの音がとだえる頃は、秋空がほんのり明ける頃でした。(「南部の味と暮し」より)